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一から知りたい韓国「慰安婦」訴訟判決報告

2/2 キボタネ・クラウドファンディング・スタート記念講

一から知りたい韓国「慰安婦」訴訟判決報告


2月2日にクラファンスタート記念オンラインイベントを開催しました。内容は、1月8日にソウル中央地裁によって出された画期的な判決についてです。この判決は、日本政府に対し、日本軍性奴隷制の被害女性たちへの賠償を言い渡すものでした。

では、どのような訴訟で、どのような判決だったのか。その意義は?主権免除とは?

そんな疑問に対し、おそらく本訴訟について日本で最もよく知る法律家の山本晴太弁護士からお話いただきました。


以下に、山本弁護士のお話をまとめてみました。


どのような経緯でこの訴訟が起きたの?


本訴訟は2013年に、原告である12名の日本軍「慰安婦」被害者によって調停申立という形で始まりました。しかし、日本が何の対応もしなかったため、調停不成立となり訴訟という形に移行することになりました。また、2015年の日韓合意によって、「慰安婦」問題の外交的解決が困難になったという背景もあり、被害者が日本を直接訴える形になったのです。

ここで問題とされているのが「主権免除」という概念です。



主権免除って何?

主権免除(state immunity)とは、主権国家は平等であるため、他国の裁判権に従う義務を免除されるという概念です。これは裁判を受ける国家の義務を免除することで、国家の尊厳、外交の安定を図るものです。

主権免除という概念を用いて、今回の判決がそれに反するため認められないという意見はここから来ているのですね!


しかし!

主権免除が国家のあらゆる行為に適用されるという意味の絶対免除主義が支配的だったのは 19世紀(幕末から明治初期)の頃の話なのです。現在ではこの立場をとる国はほとんどなく、多くの例外が認められているのです。主な例外として、以下の3つがあります。


① 商行為例外(制限免除主義)

② 不法行為例外

人権例外

本訴訟では、人権例外が重要となってくるので、それ以外が気になる方は調べてみてくださいね!


人権例外が認められる理由は、その名の通り基本的人権を守るためです。国際法の重大な違反、深刻な人権侵害、最後の手段として国家を訴えるしかない場合、主権免除を上回り、原告の裁判を受ける権利が認められるのです。山本弁護士は人権例外について以下のようにまとめていました。

人権例外肯定→人権を中心とする新しい国際法

人権例外否定→国益を中心とする古い国際法


人権例外に関して、どんな事例があるの?

ここでは2つの事例を紹介します。

l アル・アドサニ事件 ヨーロッパ人権裁判所判決(2001)

この人権例外を認めるか否かについて、この事件における判決では、9対8で認められませんでした。しかしここで注目するべきは、2001年時点で賛否が拮抗していたということです。


l ICJ 独対伊主権免除事件判決(2012)

ここでも人権例外は認められず、原告は敗訴しました。その根拠のうち2つを紹介します。

① 人権例外を認める国家実行(判決や法律)は相対的に少数である。現在のところ慣習法にはなっていない。→しかしこれは今のところ判例が少ないからというだけで弱い根拠であり、将来人権例外を認める国内判例が増えることも想定されている、つまり韓国で人権例外を認める判決