日本軍「慰安婦」被害者たちが、絵を描くことを通して自らの傷に向き合い、それを表現することで解放されていく姿を、温かい視点で描いた本『咲ききれなかった花』を翻訳出版するためのプロジェクトです。
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このプロジェクトを始める理由
韓国「ナヌムの家」に暮らす姜徳景(カン・ドッキョン)さん、金順徳(キム・スンドク)さんなど日本軍「慰安婦」被害者たちが描いた絵は、1990年代中頃に発表されて人々に衝撃を与えました。彼女たちが描く故郷の風景や日本軍人の姿、幼い自画像からは心の叫びが聞こえてくるかのようでした。しかし、それがどのように描かれ、彼女たちにとってどのような意味があったのかについては、あまり知られていなかったのではないでしょうか。
2018年に韓国で出版された『咲ききれなかった花』は、それを解き明かしてくれる本です。被害女性たち(ここではハルモニと呼びます)に絵画で自己表現するきっかけを与えたのが、この本の著者イ・ギョンシンさんだからです。美大を卒業したばかりの若い女性がおそるおそる「ナヌムの家」の門をくぐり、ハルモニたちの心の扉にノックし続け、扉が少しずつ開けられていく過程が、この本の中に詰まっています。
日本軍「慰安婦」問題について考える時、被害に遭った女性たち一人一人の生に思いを至らせることが何よりも大切だと私たちは考えています。だからこそ私たちは、絵と出会うことで自らの傷に向き合い、それを表現することで解放されていったハルモニたちの姿を伝えたいと思ったのです。この本は、今まで知らなかった「慰安婦」被害者たちの素顔を、必ず伝えてくれると思っています。
本プロジェクトは希望のたね基金の活動の一環です。日本軍性奴隷制問題もしくは「慰安婦」問題と聞くと、日韓の政治的対立の問題だとされてしまうのが現状です。しかし、被害当事者であったハルモニたちの存在なくして、この性暴力の歴史を振り返ることはできません。今回翻訳刊行をする「咲ききれなかった花」を通じて、まずはハルモニたちの力強く美しい姿を、著者イ・ギョンシンさんの素敵な絵とともに見て、読んで、感じていただきたいと思います。
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