岡本有佳

2017年11月20日3 分

性暴力・性搾取に取り組む若手活動家ツアー報告 第二日目

最終更新: 2020年6月9日

9月21日木曜日、ツアー二日目。

「タンポポ巡礼団」に参加し、1泊2日で全羅北道の全州(チョンジュ)と群山(クンサン)にある性売買の現場などをまわりました。

「タンポポ巡礼団」の資料によると、2000年と2002年群山で発生した性売買施設の火事惨事により、20名の性売買女性が犠牲となり、性売買女性の人権問題がいかに深刻であるかを世の中に知らせることになりました。それは2004年の性売買防止法制定の契機となりました。

「性売買問題解決のための全国連帯」は、彼女たちを記憶し、追悼し、同じようなことが二度と起きないようにという願いをこめて2006年から毎年9月、群山を訪れています。

  • 下月洞(ハウォルドン)性売買集結地企画展示「再び見る」観覧

ソウル下月洞のある性売買集結地、俗称「ミアリ」。80年代には400の業者がありましたが現在は100あまり。この地で相談所を運営し、アウトリーチ活動を続けて来た「性売買問題解決のための全国連帯」および女性人権センター[見る]は、再開発を前にミアリがどういう場所なのか、どういう意味で私たちに感じられているのかを、活動家とアーティストらが共同作業をとおして考え、作品化したそうです。ミアリのアーカイブ写真とともに展示されていました。

                    ミアリにある展覧会会場とポスター

                     会場風景 展示を見るメンバーたち

ホ・ナヨン「それにもかかわらず、通路の言葉たち」白いのれんをくぐりながら、そこに記された当事者たちのことばを読む。

キム・ドヒ「落ちた太極旗」(家事で燃えた業者から収集したオブジェ)

全州 ソンミ村を歩く+ソンミ村リボン・プロジェクトの展示を見る。全州の性売買集結地であるソンミ村を文化芸術と人権の空間に変化させようと、文化再生事業が推進される中、「全北女性人権支援センター」は、ソンミ村を女性人権侵害の空間から女性の人権を象徴する空間と文化芸術の空間に再構成するリボン・プロジェクト企画展示を実施。6人のアーティストと現場の活動家たちが時間をかけて共同で準備し、ソンミ村内の元業者の店舗3カ所が記憶の空間として再構成され、3つのセクション「見る」「つなげる」「結ぶ」で展示されていました。

ソンミ村通りを歩く。現在も40あまりの業者が営業中だ。

リボン・プロジェクト企画展示図録

業者の店舗内では女性たちが使用した家具や品物が利用され、性売買業者内部を再現されている。

チョン・ムンソン 「one's eyes」 性売買女性たちがさらされている視線のよう

ジャン・クンボム「 Mの年代記」 買春をしたことがあるかないかを尋ねる。首を振る瞬間を撮ったもの。

ソンミ村内の記憶の空間で開かれたオープニングトークコンサートと公演

全北女性人権支援センター長のソン・キョンスクさんより、ソンミ村の歴史について説明を聞く。

全州で一泊。

ご紹介したアート作品はほんの一部です。機会があれば、ぜひ現地でに足を伸ばしてみてくださいね。では、第三日目に続きます。乞うご期待!

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