一般社団法人 希望のたね基金

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代表理事 梁澄子 (やんちんじゃ)

「被害者がいる問題だったんですね」
在日朝鮮人「慰安婦」サバイバー・宋神道さんの裁判過程をまとめたドキュメンタリー『オレの心は負けてない』を見て、ある学生がつぶやいた言葉です。日本軍「慰安婦」問題が日韓の外交課題として浮上した後で「慰安婦」問題を知った世代には、この問題が日韓の摩擦問題としてしか見えていないのだということを、気付かせてくれた言葉でした。サバイバーたちの四半世紀にわたる闘いが、「慰安婦」問題を外交課題にまで押し上げたのだという事実が、すっぽりと抜け落ちてしまっている。宋神道さんをはじめとする日本軍「慰安婦」サバイバーたちの闘いを目撃してきた者として、被害事実と共に、その闘いと、それが獲得したものについて、伝えていかなければならない責任を感じています。
韓国の日本軍「慰安婦」サバイバー・金福童さんは、日韓合意の最大の問題点は「歴史を売ったことだ」と言いました。「慰安婦問題は歴史なんだ。歴史はお金で売ってはいけないものなんだよ」と。
戦時性暴力の被害者が名乗り出て、加害国の責任を問うて国際世論に訴えるという、人類史上初の試みをおこなった女性たちは、二度と同じことが繰り返されない平和な世界をつくらなければならないと、自らの存在をかけて訴え続けました。その姿が、他の戦時性暴力被害者たちに勇気を与えたこと、世界の人権専門家たちの心を動かして重大人権侵害被害者の被害回復に関する国際基準を打ち立てる上で大きく貢献したこと、闘いの過程で自らが変わり周囲の人々を変えていったことも、私たちが記憶し、伝えていかなければならない歴史です。その歴史が見落とされ、あるいは歪曲されたまま、「解決」や「和解」を唱えても、「解決」と「和解」を手に入れることはできません。
日本軍「慰安婦」問題は私たちに多くのことを気付かせ、学ばせてくれた問題でした。その気づきや学びを、さらに多くの人々、多くの若者に伝えていくことで、「慰安婦」問題は「終わらせる」べき問題ではなく、平和な未来を拓く礎となる問題であることを伝えたいと思います。

 

日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表 1990年から日本軍「慰安婦」問題に関わる。1993年提訴の在日朝鮮人「慰安婦」被害者宋神道さんの裁判支援をおこない、2007年にドキュメンタリー映画『オレの心は負けてない』製作。現在、韓国ソウル「戦争と女性の人権博物館(WHR)日本後援会」代表、「YOSHIMI裁判いっしょにアクション」共同代表。通訳・翻訳、語学講師。 "

顧問 川田文子 (かわだふみこ)

じっくり実らせよう、一粒の種 旧日本兵によれば、司令部や大隊本部の側には慰安所を設置した。本部を守る配置の200名規模の各中隊には慰安所の「慰安婦」が巡回した。最前線の小隊には慰安所も「慰安婦」の巡回もない。それで、女性を拉致し順繰りに犯し、「合意」と見せかけるため金を握らせた。真摯な反省も再発防止策も示さず日本政府が締結した「日韓合意」は70年以上前、最前線の兵士が編み出した犯罪隠蔽のため金を被害者に握らせた手法と同質だ。
日本政府は「日韓合意」の一条件とした平和の少女像の撤去にこだわる。韓国の若者は厳寒のソウルの日本大使館前にテントを張り、夜中も少女像を守った。釜山の総領事館近くの少女像は若者が資金を集めて設置した。日本の若い世代が韓国の同世代と交流し確固とした非侵略・平和を築く、そんな一粒の種になることを応援したい。

ノンフィクション作家。在日の慰安婦裁判を支える会、戦争と女性の人権博物館日本委員会所属、日本の戦争責任資料センター共同代表。沖縄に残された裴奉奇さんの半生を記録した『赤瓦の家――朝鮮から来た従軍慰安婦』(1987年)をはじめ、在日、日本、インドネシア、中国など日本軍「慰安婦」・性暴力を受けた当事者の人生を記録。

顧問 中原道子 (なかはらみちこ)

「若者へ」
「慰安婦」問題という希望のタネがまかれました。「慰安婦」問題は、日本の若者に、そう、あなたに、時間というバリア、国境というバリアを越える方法を教えてくれます。「慰安婦」問題とは何かを、隣の国のみんなと語り合うことができますか?若者はいつか国境を越えなければなりません。そこで出会う人々と話し合う時、「慰安婦」問題はとてもいいテーマです。それは、誰でも考えることができる戦争と女性と男性の問題だからです。国境を越えて、国際的な環境の中で人々が耳を傾け、共感し、あるいは論争できる歴史的な知識をあなたは持っているか考えてください。今、あなたに希望のタネが手渡されるのです。そして、あなたは、いつか国境を越える。

「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター共同代表 専門はマレーシア史。日本軍制下のロームシャの研究をする。マレーシアで唯一人名乗り出た日本軍性奴隷制の被害者ロザリン・ソウに出会い、被害女性の聞き取りを始めた。1998年に、組織されたVAWW NET(戦争と女性への暴力ネットワーク) に参加、2000年の「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」の組織に関わった。早稲田大学名誉教授 "

顧問 角田由紀子 (つのだゆきこ)

私たちの社会が「希望」という言葉を見失ってどのくらい経つのだろうか。希望の喪失度(という言い方があるとすれば)は、安倍内閣になってから急速に進んでいる。私たちは絶望感と閉塞感に苛まされてきた。そこへ「希望のたね基金」である。私はすっかり忘れていた言葉に再会して、ひそかに心躍らせている。この基金が、若者たちをターゲットにしていることが、とりわけ嬉しい。日本軍「慰安婦」とはなんであったのか、なんであるのかを若者たちが理解するときが来ることで、日本と韓国の関係は大きく変わるだろうし、それは必ずや日本の若者たちに生きるに値する未来をもたらすのではないかと、期待が膨らむ。自分の国の歴史を学んでこなかった日本人にとっては、若者だけでなく、新しい時代に生きる手がかりになるはずだ。

弁護士 2017年5月1日現在 1975年弁護士登録。以後、東京弁護士会及び日本弁護士連合会の両性の平等委員会の委員を、2001年4月よりはNPO法人「女性の安全と健康のための支援教育センター」の代表理事をそれぞれ務めている。2004年4月より2013年3月まで、明治大学法科大学院教授。第2東京弁護士会所属。主な著書に「性と法律」2013年岩波新書など。 "

理事 庵逧由香 (あんざこゆか)

国境を越えて人と人とが直接出会い、直接交流することは、国際関係で最も楽しく、最も核心的な要素だと思います。友達が一人でもできれば、自然に相手国や相手地域に対する関心が生まれてきます。日本で韓国の大衆文化が根付き始めたている現在、関心を持ち始めた若い方々に、一人でも多く朝鮮半島の友達と出会う機会が提供できればという願いを込めて、希望のたね基金の事業におおいに期待しています。

立命館大学文学部教授 / 強制動員真相究明ネットワーク共同代表 専攻は朝鮮近現代史、日韓関係史。主要論著に、「朝鮮における総動員体制の構造」『岩波講座東アジア近現代通史 第6巻』岩波書店、2011年1月(共著)、庵逧由香「植民地期朝鮮史像をめぐって-韓国の新しい研究動向-」『歴史学研究』No.868、2010年7月、などがある。

理事 太田啓子(おおたけいこ)

私は、戦時性暴力は、戦時という特殊な状況下で起きる特殊な態様のものだと以前は思っていた。しかし、戦時特有の事情もあるにせよ、本質においては、どうもこの社会で日常的に起きている性暴力と地続きのものであるということを、日本軍「慰安婦」だった女性達の言葉と、それに対して向けられる偏見と罵詈雑言に接して、感じるようになった。
逃げられない権力構造下で起きた凄絶な被害がどういうものだったのかを直視することは、この社会から性暴力を無くすために何が必要かという本質的な問いのために避けられないだろう。必死な性暴力告発の声を「あなたは合意していたのに今更何を言うのか」と押し潰す暴力性の背後にあるものはなんなのか見極め、それと闘いたい。これが、不勉強と微力を承知で理事就任の打診をお引き受けした理由である。

 

弁護士 明日の自由を守る若手弁護士の会(「あすわか」メンバー)。「怒れる女子会」呼びかけ人。取扱分野は離婚等の家事事件、一般民事事件等。性暴力被害者代理人等の経験から、現在の性犯罪に関する法律のあり方に疑問を感じています。 "

理事 岡本有佳 (おかもとゆか)

日本軍「慰安婦」問題がいまだ解決しない中で、私たち日本社会のおとなの歴史認識があらためて問われています。現在、学校教育で使われている検定教科書ははなはだ不十分、若い人たちが日常的に接するマスメディアやおとなたちの歴史観にも左右されるという限界の中で、どのように歴史認識を深め、人権意識を育むことができるでしょうか。〈希望のたね基金〉は、そのような環境をつくるためのささやかな一歩を踏み出します。若い人たちの主体的な学びの場・機会をつくるために、おとなは知恵と資金を出しあい、若い世代からはさまざまな提案が生まれ、日韓の未来世代の交流が深化するような小さな希望の種を一緒に撒いてみませんか。

編集者、ライター、文化企画。Fight for Justice日本軍「慰安婦」問題webサイト運営委員。「表現の不自由展」共同代表。共編著『増補改訂版〈平和の少女像〉、なぜ座り続けるのか』(世織書房)、岩波ブックレット『《自粛社会》をのりこえる』(仮題、近刊)など。 "

理事 北原みのり(きたはら)

91年に金学順さんが声をあげたとき、私は大学生だった。当事者が声をあげた以上、解決しないわけにいかない、すぐにきっと解決できるはず。そう楽観的に信じていた四半世紀前の私に言ってあげたい。「甘すぎるよ」と。「慰安婦」問題は、この国のアキレス腱だ。国は力尽くで、この問題を忘れさせようとしてきた。「そうはさせない」と、急所に正面から切り込んでいった当事者と支援者の運動は、どれほど過酷だったことだろう。性暴力被害者が声をあげれば叩かれ、なかったことにされるのは、今も同じだ。だからこそ私は、この運動に関わりたいと思う。女性たちの無念を記憶するために。次世代に声と記憶をつないでいきたい。

作家 1996年、フェミニズムの視点で女性向けセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」を立ち上げる。フェミニズム、ジェンダーに関する著書多数。「アンアンのセックスできれいになれた?」(朝日新聞出版)「毒婦。」(朝日新聞出版)「奥様は愛国」(朴順梨との共著著、河出書房新社)「性と国家」(佐藤優との対談、河出書房新社)他。

理事 金富子(きむぷじゃ)

日本軍「慰安婦」問題はまだ終わっていません。同じ過ちを繰り返さないために、なぜどのように日本軍「慰安婦」問題が起こったのかという歴史認識と人権意識を若い世代に引き継ぎ、戦争と性暴力のない希望にみちた平和な未来をつくること。それは、「慰安婦」にされた被害女性たちに共通する願いだと思います。のみならず、私たちオトナの戦後責任・植民地後責任、そして未来への責任でもあります。そのために生まれた「希望のたね基金」が第一歩を踏み出します。さぁ、一緒に歩みませんか?

東京外国語大学大学院教授。ジェンダー論・ジェンダー史、植民地朝鮮教育史。VAWW RAC共同代表。Fight for Justice日本軍「慰安婦」問題webサイト運営委員。主著に『植民地期朝鮮の教育とジェンダー』(世織書房)、近刊に『「慰安婦」問題は終わらない』(仮題、大月書店)。

理事 山口智美(やまぐちともみ)

「慰安婦」問題は昔起きたことだから自分とは無関係」「国家間の問題だし、日韓合意で解決済み」。そんな声をよく聞きます。日本のメディアやネットでは「慰安婦」問題否定論が溢れ、日本政府が歴史の否定や忘却を後押しさえしています。でも、「慰安婦」問題を真に解決し、二度と戦時性暴力の被害を起こさないためには、「慰安婦」問題の事実やサバイバーの声、そして支援運動の歴史について学び、記憶し、それを継承していくことこそが重要なはずです。「希望のたね基金」の取り組みを通じて日本の若者たちが学んだ成果は、私が住むアメリカなど、世界の若者にも影響を与えていくことでしょう。皆でこの基金を育てていきましょう。

モンタナ州立大学准教授 文化人類学・フェミニズム 日本の社会運動、特にフェミニズムや右派運動の調査を進める中で「慰安婦」問題にも取り組む。共著に『社会運動の戸惑い—フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』(共勁草書房)、『海を渡る「慰安婦」問題 右派の「歴史戦」を問う』(岩波書店)ほか。

監事 打越さく良(うちこしさくら)

歴史研究・歴史教育を通じて永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を表明した河野談話を継承するとしながら、忘却の彼方へ追いやろうとする政権に愕然とします。歴史修整主義はいよいよ勢いを増し、圧倒されます。でも、愕然としているだけではいられません。1人ひとりの力は小さいけれど、集まればできることもあるのではないでしょうか。できることから、始めたい。この基金は、私たちを分断と忘却から回復してくれる、ささやかだけれど、まさに希望のたねです。

弁護士 夫婦別姓訴訟弁護団事務局長。最高裁判事15人中5人が民法750条を憲法24条に違反すると判断したが、改憲への動きが気になる。24条変えさせないキャンペーンの呼びかけ人。弁護士として、DV被害者の事件などを受任。

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