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「女性国際戦犯法廷20周年」シリーズ①

「闘う愛の人、松井やよりを語る」オンラインシンポ

 今年は「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷」から20年の節目の年です。

2000年女性国際戦犯法廷は、故松井やよりさん(VAWW-NETジャパン初代代表)が提唱し、戦後裁かれることがなかった戦時性暴力を問い、日本軍性奴隷制度の責任者を裁く判決を出した画期的なものでした。

 世界各国から訪れ、証言台に立った「慰安婦」女性や支援者等は、この法廷が日本社会を変えることを期待しました。ところがこの法廷は海外では大きく報じられた一方、日本では扱いが小さく、日本の加害事実にはほとんど触れられませんでした。またこの法廷後、日本社会は被害者が期待するようには変われず、むしろフェミニズムへの強烈なバックラッシュが吹き上がる暗黒の時代に入りました。1991年に金学順さんが声をあげる以前よりも、「慰安婦」問題を知らない、語ることすらできない社会になってしまったともいえます。

 

 女性国際戦犯法廷から20年。「慰安婦」問題を解決してこなかった日本社会が失ってきたもの、向き合わなかったことを、20年前に行われた女性国際戦犯法廷を知り、学ぶことによって取り戻す力になるのではないでしょうか。

 希望のたね基金は、2020年を「女性国際戦犯法廷」を知る一年としてドキュメンタリー上映や実際に当時参加した支援者たちの話などのイベントを企画してきました。残念ながらリアルなイベントの開催が難しくなったこともあり、松井やよりさんについて知るオンラインシンポジウムを開きました。これは女性国際戦犯法廷を主催したVAWW-NETジャパンの後継団体であるVAWW RACとの共催でおこなったイベントです。その映像を公開します。(※今回が共催イベントの第1回です。今後第4回まで続く予定です)

 朝日新聞記者として女性が強いられている困難に真摯に向き合い、アジアの女性たちとのシスターフッドを訴え、性売買問題に取り組み続け、日本の女性運動の先頭に立ち続けた松井やよりさん。1977年に結成された「アジアの女たちの会」ではいち早く「慰安婦」問題を取り上げました。松井さんは女性国際戦犯法廷の2年後、がんのために68才で亡くなります。まさに命をかけた最期の戦いになった「女性国際戦犯法廷」を、松井さんが提唱した背景、松井さんが見えていたもの、目指していたものは何だったのか。お話いただくのは、女性の人権、アジアの女性の連帯、性売買問題、性暴力問題に松井さんと共に取り組み続け女性運動を切り拓き続けた高里鈴代さん、VAWW-NETジャパン運営委員として松井さんと共に法廷に尽力した池田恵理子さんです。聞き手は、希望のたね基金理事の北原みのりが行いました。 性暴力問題に向き合い、アジアを中心とした女性運動の歴史を紡ぐ非常に貴重な時間になりました。ぜひご覧ください。

◎ 日時:2020年5月16日(土)14時から

◎ 池田恵理子: アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」(wam)名誉館長          高里鈴代:基地・軍隊を許さない行動する女たちの会共同代表  

    北原みのり:希望のたね基金理事 女性のためのセクシュアルヘルスグッズショップ                          「ラブピースクラブ」代表、作家としてフェミ系著書多数。

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