宋神道さんの思いをつなぐ会
趣旨
「被害者」は「被害者」ではなく、「人」でした。
1922年11月24日、日本植民地下の朝鮮忠清南道で生まれた宋神道さんは、1938年、数え十七歳の時に「戦地に行ってお国のために働けば金が稼げる」とだまされて、戦地がどんなところかも、どんな仕事をするのかも知らずに中国に連れていかれて日本軍慰安婦を強制されました。 7年間に及ぶ戦地での被害を生き抜いた後、日本人の軍曹に「結婚して一緒に日本に帰ろう」とだまされて日本に渡り、日本に着いた途端に捨てられてからは、身寄りもない日本で苦しい生活を余儀なくされました。
宋さんは1993年4月5日、日本国に賠償を求めて提訴しました。私たちは在日の慰安婦裁判を 支える会として10年に及ぶ裁判を支援し、その後は生活支援をする中で、2017年12月16日に宋 神道さんが95歳で亡くなるまで宋さんの姿を見、その言葉を聞いてきました。
私たちが生きている世界では、今もなお紛争や戦争の中、多くの人が恐ろしい暴力を受け続けています。戦時下で日本軍による性暴力被害を生き延び、裁判を通じて「このような戦争を二度としてはいけない」と訴え続けた宋さんの言葉には、日本軍から受けた暴力に対する怒りだけではなく、このような体験は繰り返されてはいけないという強いメッセージが込められています。 宋神道さんの思いをつなぐ会は、宋さんのこのような思いをつないでいきたいという気持ちから、在日の慰安婦裁判を支える会の後継団体として生まれました。
今の時代に、宋神道さんという一人の人間がどのように生きてどんな言葉を残したのか、一人でも多くの方に知ってもらいたいと願っています。
宋神道さんの思いをつなぐ会
2022年 11月 24日 宋神道さん生誕100年の日に