本日、キボタネ発足を記念した記者会見を行いました。衆議院議員会館に足を運んで下さった皆様、ありがとうございました。
キボタネ発足を祝って来日して下さった正義記憶財団の常任理事尹美香(ユンミヒャン)も参加して下さり、それぞれが思いを語った時間になりました。
簡単に皆さんのお話をご紹介。
太田啓子さんは、DVや性暴力被害の弁護の経験から「性暴力被害者へ向けられる罵詈雑言」は、「慰安婦」にさせられた女性たちに向けられるものと同じだと語り、性暴力を理解しようとしない社会に異議を唱えました。
岡本有佳さんは「『慰安婦』問題が解決できないのは、日本の問題」と語り、日本の若者たちが主体的にこの「問題」を学ぶための支援を誓いました。
川田文子さんは、人一人しか入らない「蛸壺」(塹壕)で行為を強いられた宋神道さんの証言を、絵に浮かぶような表現でお話して下さった。頭の上を弾丸が行き交う中で、行為を強いられ、逃げたくても、兵隊は「ここで死ねたら本望だ」と行為を続けたこと。そしてそのような女たちの証言を軽視し、性暴力被害者へ罵詈雑言を向けるような日本社会は、「きわめて悪い環境にある」と仰った。希望のたね基金が、社会に良い風を通すものでありたいと希望を語って下さいました。
角田由紀子さんは30年以上、弁護士として性暴力問題に関わってきた経験から、「なかったことにはしない」のは「私の得意とすることです」とお話して下さり、中原道子さんは、次世代のためにこそ日本政府は謝罪すべきなのだと強く語りました。
代表の梁澄子と尹美香さんの言葉は、改めて全文に近い形でここで紹介したいと思います。発足の日にふさわしい、姿勢を正されるような思いになるものでした。二人とも四半世紀以上、当事者を支援し続け、彼女たちに寄り添いながら声をあげ、世論と権力と闘い続け、世界を変えようとしてきた人。彼女たちの尊い運動を、次の世代にどのようにつないでいけるのか。どのように「奪われた声」に耳を澄ましていくべきなのかを考えさせられる時間になりました。
私は、今年度の事業を説明しました。
今年度の事業!!! はい、実は既に決定している事業が二つあります。
第一回の事業は9月21日〜。性搾取・性暴力被害を受けた女性たちの支援者五人を招いて韓国でスタディツアーを行います。二つ目は来年3月。一般公募し、韓国の「慰安婦」問題に関わる人々との交流などのスタディツアーを行います。こちらは10人を予定しています。この二つの事業に必要な予算は約200万円。まずはこの金額を集めていくことが、私たちの最初の目標になります。この事業計画についてはプロジェクトのページで近々公表します。
記者の方からは質問をいくつかいただきました。覚えているものを紹介。
「『日韓合意』に賛同し、お金をもらった被害者もいる。そのことをどう思うか」という質問(産経新聞の記者)に対し、尹美香さんが答えて下さったこと。 「46人のうち32人が受け取ったと言われていますが、その背景には韓国政府が合意の過程で、本人やその家族に、『どうせ日本政府は賠償しない、今これをもらって無念を晴らそう』『これは賠償のようなものだ』などと暴力的に受け取らせてきた事実があります」「32人が受け取ったというが、『慰安婦』であることを語らずにいた女性たち、『見えてこない数字』の中にいる人たちがいる」
声を上げた女性の背後に、声をあげられなかった何万倍もの女性がいる。そのことの重みと残酷を私たちは引き受けなければいけない・・・。そのことを突きつけられるお話でした。
また共同通信の記者から「なぜ女性だけなのか」とご質問を受けました。
不思議なことに、この理事会を結成するにあたって、その疑問は誰からも・・・出なかったというか思いつかなかったことだったので虚を突かれました。
性暴力・性搾取問題に最前線で取り組んできた方々を集めたら・・・結果このようなことになりました・・・という話しをしました。「バランスを取る」ために男性を入れる、とか全く考えなかった結果です。
というわけで、簡単ですがご報告でした。
明日も集会がございます。今日いらっしゃれなかった方、明日は尹美香さん、梁澄子さんの講演です。水道橋YMCAでお待ちしています。
そうそう最後に。今日、私が心に刻んだ尹美香さんの言葉をご紹介。
「ハルモニ(被害者)の回復には必要なことが二つある。一つは加害者の反省、二つ目は自国の中で尊厳を取り戻すこと。後者は実現されています。韓国社会の中でハルモニたちは今、平和運動家として尊敬の対象になっている」
「私たちが社会を変えていくためには、日本社会の変化が必要なのです」
「絶望は既に語り尽くしてきました。これからは希望を語りましょう。希望を語ると財布が開いてくれますね!(寄付してね!)
ということで、また明日。
梁澄子さん