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性暴力・性搾取に取り組む若手活動家ツアー報告

更新日:2020年6月9日


9/19〜24まで、性暴力・性搾取に取り組む日本の若手活動家たち(Colabo、PAPS)に韓国で学んでもらうためのツアーを行ないました。ツアーのコーディネートに参加し、5泊6日の付き添い役をした者として、全日程と簡単な訪問先紹介をします。詳しい報告は準備中です。

(報告・写真:理事 岡本有佳)

日程一覧

第1日目

(9/20)

動く青少年センターEXIT

水曜デモに参加

10代女性一時支援センター“ナム”

10代女性人権センター

*ソウル泊

第2日目

(9/21)

巡礼団に参加

下月洞性売買集結地企画展示「再び見る」観覧

全州のソンミ村を歩く+ソンミ村リボン・プロジェクトの展示を見る

第3日目

(9/22)

群山のインピ面(臨陂面)にある昇華院の納骨堂

アメリカンタウン(群山)

青少年センターEXIT 夜間バス体験

第4日目

(9/23)

全国連帯などの活動家・研究者との懇談

デジタル性犯罪シンポジウム

第5日目

(9/24)

女性の人権と戦争博物館

平和のウリチプ

以下、日にちを追って順次紹介していきます。

それでは韓国スタディツアーの始まり始まり!

9/20(水)第1目

若者たち支援をするColaboの希望により、10代の若者を支援する活動の現場を中心に訪問しました。

■動く青少年センターEXIT

「路上で、青少年とともに、社会的代案を作り出す!」をモットーに活動する同センター長のビョン・ミヘさん、金曜の夜間バスを体験することを前提に、

センターの目的や活動内容についてレクチャーを受けました。

 動く青少年センターEXITは、青少年が路上で経験する多様な危機状態に対処しながら、健やかに自立でき、社会構成員として主体性を発揮して生きていくことを目指しています。7年前からはじめた夜間バスEXITは、地域社会とともに、青少年の人権が保障できる環境を作り出すことを目的に、週2回を実施しています。

バスで行なうのは、以下のとおり。

  • 路上で青少年との出会い(パトロール)

  • 暖かい食卓の分かち合い(食事、間食)

  • おしゃべりと相談がともにあるスペース(友達、メンター、親相談)

  • しばらく休み(フロアで休息、ボードゲーム、携帯充電)

  • ケガした青少年のための医療支援

  • 性犯罪被害青少年のための支援活動(告訴、心理治療等)

  • 緊急情況での法律支援(仕事関連、警察や弁護士等)

  • 緊急情況での物品支援(下着、靴下、衛生用品、コンドーム)

  • 青少年自立ファム:不思議の国

  • 夜間バス体験については後述。

運動の経験の中で子どもに対する規則はなくなったことや「支援しない」部分が重要だという発言が印象的でした。

■水曜デモ

第1301回水曜デモに参加。コラボとPAPSメンバーより連帯のアピールをしました。

  • 10代女性一時支援センター“ナム”

  • 年から活動を開始し、2010年に発足した「よき世界をつくる人々」は、街の人々が参加し、誰もが生きたい街をつくろうと活動する草の根の女性団体です。同団体が2013年にソウル市の支援を受けて「10女性一時支援センター“ナム”」を開所、2016年に「銅雀(ドンチャク)青少年性文化センター“プラス”」(夜10〜朝8時まで使える)を開所しました。地域密着型であることが特徴です。

  • 10代女性だけでなく、地域住民誰でも自由に利用できる空間になっています。センター長のポドゥルさんをはじめ、各担当者の方からセンターの活動内容の説明を聞いた後、3階にある一時シェルター(10〜18時、寝たり洗濯したり、シャワーもできる)を見学しました。

質疑では、ボランティア活動家の養成やアウトリーチのやり方など具体的な質疑が交わされました。行政からの支援を受けているにもかかわらず、子どもの意思や立場を尊重して自由に運営していることが、日本と比べてその違いに驚いた場面もありました。

  • 10代女性人権センター

事務局長のクォン・ジュリさんから、非営利民間団体であるセンターの活動内容についてレクチャーを受けました。

10代女性人権センターのビジョンは、以下のとおりです。

・女性と子どもなど弱者に対する性搾取目的の人身売買に反対する国際的は活動団体をめざす。

・青少年/インターネット/性売買防止のための総合的な支援センターをめざす。

・性搾取、人身売買防止のための国際ネットワークの構築とアジアの反性売買の前戦基地をめざす。

重要な事業としては、

  • サイバー世代の相談事業

韓国では家出する子どもたちが20万人くらいといわれている。その中で女の子7〜10人のうち1人が性売買の経験がある。その最初の経路の90%がネットやスマホのアプリ。サイバー空間では時間制限ないので365日、24時間休むことなく続いている状況で、性売買被害の支援に取り組む必要性。性の購買者に対する処罰も必要。

2)ソウル危機教育青少年センター

長期間危機的状態に置かれ無気力化した青少年が尊厳と生の価値を肯定的に捉えられるよう多様な教育プログラムの提供や事前後ケアを通して被害者の再流入を予防する。

3)S・N・S(STOP N START) 

性買収犯罪被害児童・青少年対象の専門相談。被害児童・青少年の発掘から予防、支援、ケア、自立に至るまでの統合支援体系を構築。

4)法律医療心理支援団の運営。訴訟や法律改正案にも取り組む。

5)青少年/インターネット/性売買関連のイシュー生産及び連帯活動

参加者から「サイバー同世代相談員」についての質問が出され、メリットとその募集と養成方法について詳しい説明がありました。女の子たちを性売買にひきずりこもうとする成人のモニタリングをして通報する活動についても質問が出て、詳しい方法論や課題が話されました。

                          チョ・ジンギョン代表

コラボとPAPSよりそれぞれの日本の現状および活動内容について発表し、意見交換しました。

同じような課題に取り組んでいることもあり、今後も情報交換や交流を続けていければと思います。

※ソウルでは、ColaboとPAPSメンバー4人とキボタネ理事2人、アテンド・記録スタッフ2人が合宿形式で宿泊しながら寝食をともにし、さまざまな話を交わすことができました。

第2日目へと続きます。お楽しみに!


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