【2021若者PJT】柴崎温子さんの運動史聞き取り感想文

田中麻子


 1937年生まれ、現在84歳の柴崎さんは東京で生まれ育ち、戦争を体験します。高校卒業後さまざまな運動団体と関わった柴崎さんは保育士としても現場で働き保育士の労働環境改善のために活動しました。その後、韓国人差別に反対するため地域の中で指紋押捺拒否運動などに関わっていく中で戦争被害者の声を聞く機会も多く、しかし男性の被害は出てくるのに女性の被害の話が出てこないことに気がつきます。

 そんな中、1991年に金学順さんが名乗り出たことを知った柴崎さんは【金学順さんの話を聞く会】(1991年12月、東京水道橋の韓国YMCAで開催)に参加し、「金学順さんの話を聞いて、最後まで残ってて、握手して、金学順さんと握手して、もう手に握りしめて家へ帰って、これ(「慰安婦」問題)やるって決めてやったの。」と当事者の強さに心を動かされた経験を語ります。

 早速、地元の指紋押捺拒否運動をやっていた仲間とともに【桔梗の会】という支援団体を作った柴崎さんは桔梗の花のバッチを制作・販売しその売り上げで被害者たちを支援していきます。その後フィリピンの「慰安婦」被害者の支援運動にも関わるようになった柴崎さんは、フィリピンの支援団体が国民基金に対する考え方などで揺れる中でも被害者の意思を第一とする姿勢を貫き運動を続けていきます。

 2回目の聴き取りの際に柴崎さんはたくさんの写真を見せてくれました。そこには普段なかなか見ることのないロラ(=フィリピンの「慰安婦」被害者)の姿が写っていました。私の中で特に印象的だったのがロラのみんなが踊っている写真です。普段本や映像から見た「慰安婦」被害者の姿の多くは集会で発言しているところなどの活動家としての姿でしたが、楽しそうな自然な姿の写真はロラたちが当たり前に一人の人間として存在することを伝えてくれました。

 勉強することで被害者の証言や「慰安婦」問題の争点などは学べますが、被害者のみなさんがどうやって生きてきたか、どんな人だったのかはこうして直接交流された方に聞くことしかできなくなりつつあります。歴史的・政治的なことだけでなく、こうしたロラたちの姿も私たちがしっかりと引き継いで伝えて行かなくてはいけないと思いました。

柴崎さん、貴重なお話をありがとうございました!

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