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執筆者の写真キボタネ

2022年キボタネ連続講座<韓国の女性運動から学ぶ>4回目 韓国の反性暴力運動の現場から

2022年8月23日(火)

講師:チョ・ジンギョンさん(10代女性人権センター代表)

担当:佐々木


連続講座の第四回目は、「10代の女性たちを性搾取から守るために~『児童・青少年の性保護法』改正運動を中心に」と題して、韓国の10代女性人権センター代表のチョ・ジンギョンさんをお招きしてお話を聞きました。

チョ・ジンギョンさんは2001年から活動をしてこられ、今年で22年目になられます。活動の中で性売買から抜け出せない成人女性たちのバックグラウンドを聞くと、10代の頃から性搾取が始まっていたという背景を知り、まずは10代を守ろう、10代のときに性売買市場に足を踏み入れてしまわないようにすることができれば被害を防げるのではと考え、10代女性人権センターを立ち上げたそうです。

その当時、性売買斡旋業者の前払い金や強制などが立証されれば被害者として支援されたが、インターネットで約束して会った人から被害にあっても「自発」と見なされ、未成年者であるその被害者も処罰の対象となっていました。そこで、どんな形でも被害者として保護・支援できるように「児童・青少年の性保護に関する法律(児青法)」の改正を目指しました。

初めは家出少女や条件デート(日本でいう援助交際のようなもの)の性被害に関してはあまり政治家たちに関心を持ってもらえなかったが、2014年の金海女子高校生殺害事件の発生や、2015年の冠岳区ラブホ14歳少女殺害事件、2016年の知的障害児童ハウン事件などが起こり、徐々に関心を持つ人々、そして改正案の法案を発議してくれる議員が現れます。

講演の中では、デジタルを媒介としたサイバー性暴力についても触れられ、性暴力と性売買の区別はできないこと、特に児童の場合、その二つを区別することに意味がないこと、加害者が「親に言うぞ」と脅迫する場合がほぼ100%であること、グルーミングの手法、深刻な被害など、児童青少年を対象とした性搾取犯罪の特徴が語られました。

こうして(1)人々の関心が高まったこと(2)総選挙があったこと(3)n番部屋事件の発生(4)準備されていた草案があった、という複合的な要因が重なり、また弛まない改正運動の結果、2020年4月30日、児青法の改正案が国会を通過し、どのような形の被害も保護され支援されることになりました。

講演時間の関係で最後は駆け足になってしまいましたが、質疑応答も活発にされ、韓国の運動からたくさんの学びを得ることができた時間でした。この4回の連続講座を通して、声を上げること、働きかけること、連帯すること、何より、被害者の声を聴くことの重要性を感じました。今後もキボタネは性暴力のない世の中を目指し、たくさんの人たちと連帯して活動していきたいと思います。(magi)

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